現在の勤務先は業務委託で常駐させて頂いているのですが、色々な体制変更の結果、
私だけ大阪のオフィスで、残りは全員東京というチーム構成でかれこれ2年近く仕事をしています。

その中で上手く行くこともあれば、うまくいかない、苦労した事も沢山ありますので、
今回は私が遠隔でのチーム開発で学んだ幾つかの事をまとめてみたいと思います。

なお、リモートワークと銘打っておりますが、チームメンバーが全員東京で私だけ別オフィスというだけで
業務形態(勤務開始や休憩や休みなど)は一緒なので、厳密なリモートワークと言えるかは微妙なところかもしれません。

また、今回のケースは圧倒的にリモートワーク側が管理される側である場合を想定しています。
(まぁ管理側だとしても大事なことばかりですが、メンバー1人だけ遠隔地でリーダー職に置くマネジメントは、相当お互いの信用があるか、リモートワークのスタッフが相当優秀でないと立ち行かないと思います)

 

1.共有や確認はしつこいくらいで丁度いい

 

今から◯◯します。
今◯◯まで進んでいます。
ちょっと△△で詰まっていますが、□□時までにはレビュー依頼出せると思います。

こういった連絡は同じ現場に居れば直接声をかければ済むことですし、上長が気になれば直接様子を見に来たりする事も出来ますが、
物理的に距離があるとそうも行きません。

作業には納期があり、最終的に納期に間に合えさえすればよいのですが、
その間の期間が空けば空くほど、管理側としては進捗に対してやきもきするものです。

外注として開発を受注している訳ではなく、あくまでチームメンバーとして動いてる場合に
丸1日も何もやりとりがないという事が頻発した挙句、納期に間に合わないとなると、どんどん信用を失って行きます。

 

2.朝会などの決まったリズムを大事にする

 

普段目に見えない所で仕事をしているからこそ、
朝会や夕会など、定期的な共有の場をつくり、1日の成果や今日の予定をちゃんと共有する事が大事です。

一人だけ遠隔地で作業する場合、だれも勤怠を直接管理する人がいないので、最悪ネットにさえ繋がっていればなんとでも誤魔化しようがあります。
(ある意味ではそれがリモートワークのメリットでもありますので、そういうワーキングスタイルで動いてらっしゃる方は別です。)

また、物理的に距離がある場合はコミュニケーションコストが必要以上にかかりますので、ちょっとした事を質問するのも中々難しかったりします。
技術的な事だと文章だけでは上手く伝わらない場合も多いですし、余計です。

そういう時に決まった時間にビデオチャットなどで進捗を共有しあう場所が決まっていると、いろいろと助かったりします。

 

3.実際に合ってコミュニケーションを取る機会をちゃんと取る

 

難しいなら電話やTV通話等でもいいです。
しかし、遠隔で円滑なコミュニケーションを取るためには、必ず実際に会ってコミュニケーションを取る機会を定期的に設ける事をおすすめします。

新しいプロジェクトにジョインしたとして、メンバーの紹介がチャットベース、あるいは静止画のサムネ1枚とかだけの場合、
相手の人となりを把握出来ず、結果として円滑なコミュニケーションに支障をきたします。

実際に会って少しでも話をする事で、「相手との距離感」や「オフィスの空気感」を感じる事が出来るので、
面倒臭がらず定期的に実際に会う機会を設けましょう。
物理的に距離がある場合は、移動や宿泊にコストがかかりますが、そこは絶対に必要な経費です。

マネージャー側は締め会や月初会、達成会等のイベント事には積極的に声をかけてあげると、
リモートワークしている側もしっかりと『チーム感』を感じられ、モチベーション的にも効果があります。
(イベントだけで出張させる事に問題がある場合は、大きめの会議や合宿を入れるなどすると良いと思います)

リモートワークでの円滑なコミュニケーションの為には、この「相手との距離感」ってのが以外と大事なのです。

繰り返しますが、リモートワーク側がTV会議やSkypeのビデオチャット等での会議参加するのは
場の雰囲気がわかりづらい、人の表情が見えない、部屋の一部しか見えない、会話に通信のラグがあるので、会話に入りづらい
などかなりのストレスがかかります。

また仮に1度会っていたとしても、2ヶ月・3ヶ月と間が開くとだんだん距離感を見失ってきます。
ですので、お互い面倒臭がらず”定期的に”会う機会はあったほうが良いと思います。

 

4.雑談を軽視しない

 

意味の無い会話や、冗談の言い合いも、これまた思っているよりも大事です。

気軽にチャットでも話しかけやすい雰囲気を作ることで、困ったときにちょっとした事でも質問しやすくなりますし、
他愛もない会話が案外問題解決に重要な役目を果たしたり、お互いの状況・空気感を感じるのに必要だったりします。

必要な事しか話さない。話しかけてもまともなリアクションが返ってこない。というような雰囲気が出来上がってしまうと、
わからないけど聞けない、、、聞きづらい、、で後ろにずるずる引きずって、取り返しの付かないところで発覚するような事が起こります。

またコミュニケーションロスは直接的にモチベーションの低下に繋がります
向こう側は違うでしょうが、リモートワーク側は基本1人なのです。1人だけで数ヶ月もやる気を維持し続けるのは中々に大変な労力となります。

ただ、注意点として、チャットベースでやりとりをしている場合が殆どだと思いますが、
その場合雑談が盛り上がりすぎると肝心の情報が流れてしまったりする事があります。

必要な情報を共有する場所と雑談などフリートークが可能なスペースを分ける等、ワークフロー上の工夫は必要です。

 

5.やりとりは皆から見える場所で行い、多くの人を巻き込む

 

これはリモートワークに限った事ではありませんが、タスクや作業、また作業履歴の”見える化”がちゃんとしている事はリモートワークでも特に大事です。
タスクの割り振り、仕様の変更、サーバーの再起動など、ちょっとした事でも、個々人でやってしまうと問題が起きることが多いので、
作業に関わるやり取りはちゃんと皆(チームメンバーや上長)の見える所で行いましょう。
チャットであればprivateな個人チャットではなく、チームメンバーの部屋でのやり取り、メールならばちゃんとCCやBccに入れる等です。

これはリモートワーク側の自己防衛に近い話になってしまうのですが、問題が起きた場合に知らずに責任をかぶってしまったり
そもそも離れていて問題が起きたことに気づくのが遅れてしまい、対応が後手になってしまう事を避けるためにも、
「この作業は私が関わっていますよ」という事はしっかり共有しておきます。

ただし、チームのマネジメントを乱すような事はしないように注意しながらです。
必要以上に巻き込みすぎる事が上長の顔を潰すことになりますし、結果それも問題になるので注意してください。

 

最後に

 

現在私が常駐しているのは、バリバリの大手ITベンチャーです。
本来リモートワークはIT業界に向いていると言われ、様々な箇所での導入なども検討されていますが、
それでいても上記に記述したような『アナログ』なところがリモートワークにとってはまだまだ大きな足枷となります。

私のところは、チームによってはSkypeやiPadのfacetime等を常時繋ぎっぱなしにして、
チャットではなく「直接話しやすい」環境を作りながらやってたりました。

しかし、管理する側ほど、リモートワークや遠隔作業についての考えがまだまだ甘い部分があるなぁと感じる事が多いです。

「社内ネットワークがつながれば遠隔でも問題なく作業できるでしょう」
「エンジニアがわざわざ出張する必要はないでしょう」
「会議はskypeで繋げば十分参加できますよね?」

よく言われます。しかし、中々そう思った通りに行かないのが現状なのです。。笑

 

リモートワークでコミュニケーションが上手く取れずに苦労しているチームの参考に少しでもなれば幸いです。

 

 


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現在の勤務先は業務委託で常駐させて頂いているのですが、色々な体制変更の結果、 私だけ大阪のオフィスで、残りは全員東京というチーム構成でかれこれ2年近く仕事をしています。 その中で上手く行くこともあれば、うまくいかない、苦労した事も沢山ありますので、 今回は私が遠隔でのチーム開発で学んだ幾つかの事をまとめてみたいと思います。 なお、リモートワークと銘打っておりますが、チームメンバーが全員東京で私だけ別オフィスというだけで 業務形態(勤務開始や休憩や休みなど)は一緒なので、厳密なリモートワークと言えるかは微妙なところかもしれません。 また、今回のケースは圧倒的にリモートワーク側が管理される側である場合を想定しています。 (まぁ管理側だとしても大事なことばかりですが、メンバー1人だけ遠隔地でリーダー職に置くマネジメントは、相当お互いの信用があるか、リモートワークのスタッフが相当優秀でないと立ち行かないと思います)   1.共有や確認はしつこいくらいで丁度いい   今から◯◯します。 今◯◯まで進んでいます。 ちょっと△△で詰まっていますが、□□時までにはレビュー依頼出せると思います。 こういった連絡は同じ現場に居れば直接声をかければ済むことですし、上長が気になれば直接様子を見に来たりする事も出来ますが、 物理的に距離があるとそうも行きません。 作業には納期があり、最終的に納期に間に合えさえすればよいのですが、 その間の期間が空けば空くほど、管理側としては進捗に対してやきもきするものです。 外注として開発を受注している訳ではなく、あくまでチームメンバーとして動いてる場合に 丸1日も何もやりとりがないという事が頻発した挙句、納期に間に合わないとなると、どんどん信用を失って行きます。   2.朝会などの決まったリズムを大事にする   普段目に見えない所で仕事をしているからこそ、 朝会や夕会など、定期的な共有の場をつくり、1日の成果や今日の予定をちゃんと共有する事が大事です。 一人だけ遠隔地で作業する場合、だれも勤怠を直接管理する人がいないので、最悪ネットにさえ繋がっていればなんとでも誤魔化しようがあります。 (ある意味ではそれがリモートワークのメリットでもありますので、そういうワーキングスタイルで動いてらっしゃる方は別です。) また、物理的に距離がある場合はコミュニケーションコストが必要以上にかかりますので、ちょっとした事を質問するのも中々難しかったりします。 技術的な事だと文章だけでは上手く伝わらない場合も多いですし、余計です。 そういう時に決まった時間にビデオチャットなどで進捗を共有しあう場所が決まっていると、いろいろと助かったりします。   3.実際に合ってコミュニケーションを取る機会をちゃんと取る   難しいなら電話やTV通話等でもいいです。 しかし、遠隔で円滑なコミュニケーションを取るためには、必ず実際に会ってコミュニケーションを取る機会を定期的に設ける事をおすすめします。 新しいプロジェクトにジョインしたとして、メンバーの紹介がチャットベース、あるいは静止画のサムネ1枚とかだけの場合、 相手の人となりを把握出来ず、結果として円滑なコミュニケーションに支障をきたします。 実際に会って少しでも話をする事で、「相手との距離感」や「オフィスの空気感」を感じる事が出来るので、 面倒臭がらず定期的に実際に会う機会を設けましょう。 物理的に距離がある場合は、移動や宿泊にコストがかかりますが、そこは絶対に必要な経費です。 マネージャー側は締め会や月初会、達成会等のイベント事には積極的に声をかけてあげると、 リモートワークしている側もしっかりと『チーム感』を感じられ、モチベーション的にも効果があります。 (イベントだけで出張させる事に問題がある場合は、大きめの会議や合宿を入れるなどすると良いと思います) リモートワークでの円滑なコミュニケーションの為には、この「相手との距離感」ってのが以外と大事なのです。 繰り返しますが、リモートワーク側がTV会議やSkypeのビデオチャット等での会議参加するのは 場の雰囲気がわかりづらい、人の表情が見えない、部屋の一部しか見えない、会話に通信のラグがあるので、会話に入りづらい などかなりのストレスがかかります。 また仮に1度会っていたとしても、2ヶ月・3ヶ月と間が開くとだんだん距離感を見失ってきます。 ですので、お互い面倒臭がらず”定期的に”会う機会はあったほうが良いと思います。   4.雑談を軽視しない   意味の無い会話や、冗談の言い合いも、これまた思っているよりも大事です。 気軽にチャットでも話しかけやすい雰囲気を作ることで、困ったときにちょっとした事でも質問しやすくなりますし、 他愛もない会話が案外問題解決に重要な役目を果たしたり、お互いの状況・空気感を感じるのに必要だったりします。 必要な事しか話さない。話しかけてもまともなリアクションが返ってこない。というような雰囲気が出来上がってしまうと、 わからないけど聞けない、、、聞きづらい、、で後ろにずるずる引きずって、取り返しの付かないところで発覚するような事が起こります。 またコミュニケーションロスは直接的にモチベーションの低下に繋がります。 向こう側は違うでしょうが、リモートワーク側は基本1人なのです。1人だけで数ヶ月もやる気を維持し続けるのは中々に大変な労力となります。 ただ、注意点として、チャットベースでやりとりをしている場合が殆どだと思いますが、 その場合雑談が盛り上がりすぎると肝心の情報が流れてしまったりする事があります。 必要な情報を共有する場所と雑談などフリートークが可能なスペースを分ける等、ワークフロー上の工夫は必要です。   5.やりとりは皆から見える場所で行い、多くの人を巻き込む   これはリモートワークに限った事ではありませんが、タスクや作業、また作業履歴の'見える化'がちゃんとしている事はリモートワークでも特に大事です。 タスクの割り振り、仕様の変更、サーバーの再起動など、ちょっとした事でも、個々人でやってしまうと問題が起きることが多いので、 作業に関わるやり取りはちゃんと皆(チームメンバーや上長)の見える所で行いましょう。 チャットであればprivateな個人チャットではなく、チームメンバーの部屋でのやり取り、メールならばちゃんとCCやBccに入れる等です。 これはリモートワーク側の自己防衛に近い話になってしまうのですが、問題が起きた場合に知らずに責任をかぶってしまったり そもそも離れていて問題が起きたことに気づくのが遅れてしまい、対応が後手になってしまう事を避けるためにも、 「この作業は私が関わっていますよ」という事はしっかり共有しておきます。 ただし、チームのマネジメントを乱すような事はしないように注意しながらです。 必要以上に巻き込みすぎる事が上長の顔を潰すことになりますし、結果それも問題になるので注意してください。   最後に   現在私が常駐しているのは、バリバリの大手ITベンチャーです。 本来リモートワークはIT業界に向いていると言われ、様々な箇所での導入なども検討されていますが、 それでいても上記に記述したような『アナログ』なところがリモートワークにとってはまだまだ大きな足枷となります。 私のところは、チームによってはSkypeやiPadのfacetime等を常時繋ぎっぱなしにして、 チャットではなく「直接話しやすい」環境を作りながらやってたりました。 しかし、管理する側ほど、リモートワークや遠隔作業についての考えがまだまだ甘い部分があるなぁと感じる事が多いです。 「社内ネットワークがつながれば遠隔でも問題なく作業できるでしょう」 「エンジニアがわざわざ出張する必要はないでしょう」 「会議はskypeで繋げば十分参加できますよね?」 よく言われます。しかし、中々そう思った通りに行かないのが現状なのです。。笑   リモートワークでコミュニケーションが上手く取れずに苦労しているチームの参考に少しでもなれば幸いです。